土地って、なかなか見つからない
いざ探し始めるとなかなかピンとこない
いいんだけどね、と何かが引っかかる
どこかふわふわしていた
焦らず探そうと言いながら、どこかふわふわと不安のようなものが現れては消える
夫は調べものが得意だ
と、私は思っている
探し方を聞いてみると、土地だけではなく中古物件も視野に入れて探していた
取り壊しの費用はかかるが、土地だけとそう変わらない値段で出ていることもある、という
ほうほうと感心しながら、まだふわふわさんがいるのを感じていた
春、寒さが少しやわらいできた夜
いつものように、2人で何となく土地の検索をしていた
夫の視線が止まっている
ここいいね
横からのぞいてみた
その場所の名前に惹かれ、思わずふふっとなった
どんな路線なのかな
ここには何があるのかな
どんな街並みなのかな、かな、かな
調べれば調べるほど、夢中になっていった
突然現れたその場所にピンときていた
夫も同じだった、と思う
チビくんはすやすやよく眠っている
私の中のふわふわさんは、もうどこかに消えていた