「青春は気まずさでできた密室だ。」
見終わった後、やさしい気持ちになりました。
早朝始発の殺風景
出演:山田杏奈 奥平大兼 / 吉川愛 中田青渚 尾碕真花 / 伊藤あさひ 望月歩 / 髙橋ひかる 萩原利久 / 藤野涼子 茅島みずき / 瀧七海(※話数順)
原作:青崎有吾『早朝始発の殺風景』(集英社文庫)
脚本監修:岡田惠和
脚本:濱田真和
音楽:田渕夏海
主題歌:yutori「モラトリアム」
監督:瀧悠輔、坂上卓哉
制作協力:TBSスパークル
製作著作:WOWOW
加藤木くんと殺風景
物語は加藤木くんと殺風景の会話が主軸になっています。そのあいだに別の物語が入ってくるという展開。その別の物語の最後にいつも「ふふふ」と笑ってしまいます。
第2話 メロンソーダ・ファクトリー
真田と詩子とノギの3人の会話が面白いです。
ノギ:まあ、意見は人それぞれだしね
ノギ:0.2%って多い?
ノギ:いいから、見てて
ノギ:ごめんね、試すような真似して
個人的に、ノギちゃんのポジションというか、ポジショニングが好きですね。3人組、小学生の頃を思い出しました。そして、のんびり「トーク」したくなりました。
第4話 捨て猫と兄妹喧嘩
兄:人間なんて、みんな勝手だからな
兄:動物は人間と違って裏切ったりしないし
兄:そりゃ、まあ、一応兄妹だし
妹:できるよ、だって兄妹だし
この兄妹の会話がとても心地良いのです。何話が一番好きかなと考えてみると4話かな、と思いながら5話を見ると「あー、5話もいいな」と。
第5話 三月四日、午後二時半の密室
煤木戸:気まずかった、3年間ずっと
草間:いつも愛想笑いして
草間:集計したら楽しい時間よりも気まずい時の方が多いかもね
「青春は気まずさでできた密室だ。」
まさにこの第5話はそんな感じで、そんな感じがどうなっていくのかが楽しくて、最後に「ふふふ」となりました。
最終話 啄木町の七不思議
殺風景:普通の正義感を持った臆病で優しい人
殺風景:大好きな映画が終わってエンドロールを見ながら登場人物たちのその後を見てみたいような、そんな気分
加藤木:なんだっけあの、ブラットピットとモーガンフリーマンが主演の映画、ま、そんな感じ
啄木町という響きも好きですね。時間があったら行ってみたいと思いました。あ、あと「加藤木くん」という響きも好きですね。加藤木くんが呼ぶ「殺風景」という響きも好きですね。2人の無理しない声(会話)がとても心地良いです。
耳が心地良いのです
なんと言いますか、耳が心地良いのです。やはり耳が心地良い作品は好きですね。耳フェチなのかなと思いますね。いや、それをいうなら声フェチか。いや、音か。会話、環境音、音楽、間、全体のリズムが「すーっと」心地良くさせてくれます。
また見たくなる作品だろうなと思います。
本も買いました
小説も読んでみたくなりすぐに買って読みました。
映像で見るのと、文字で読むのは当たり前だけど全然違います。しかし、全然違う作品にはなってなくてとても心地良かったです。
小説にはあること、映像にはないこと、小説にはあるエピローグが映像ではないのが少し残念でした。あー、やっぱり繋がってたんだ。というのが小説を読んでわかりました。それもまた良き良き、ということで。
『違和感』と、『相手を想う気持ち』が、なんとも切なく愛おしい作品です。